毛の種類によって異なる!医療用ウィッグのメンテナンス方法

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治療中に気になる頭部に医療用ウィッグ(かつら)を使用したいと考えている患者さんや、ご家族に利用させてあげたいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際の利用を考えた際に、治療の合間に行わなければいけないウィッグのメンテナンス(お手入れ)について気になることもあるでしょう。
そこで、医療用ウィッグの具体的なメンテナンス方法について詳しくご案内します。

そもそも医療用ウィッグって何?

医療用ウィッグとは、病気やケガなどの治療の際に使用するカツラのことです。
ウィッグは装着するだけで気軽に普段とは違うヘアスタイルを作ることができるため、ファッションのためのイメージチェンジを目的に使用されることもあります。

たとえば、普段はストレートの髪質の人が、パーティーなどでカールしたスタイルを一時的に楽しみたいといった場合や、仕事の際には黒髪でいなければいけない人がプライベート時だけ気軽にカラーのある髪を楽しみたいといった場合に利用されたりするのです。

しかし、医療用ウィッグは、治療で使用する薬によって生じた抜け毛や、ケガなどによってできた患部などを隠して患者の精神的なストレスを軽減することを目的に使用されています。

特に、医療用ウィッグの場合、頭皮に直接密着させて使用するケースが少なくありません。
このため、ファッションを目的としたウィッグと比べると、通気性や耐熱性などの機能に優れた造りとなっているものが多いという特徴があります。
ウィッグが頭皮に密着するによって受けるかもしれない皮膚への刺激を少しでも抑えるためです。

ただし、値段も高く一度購入したら何度も簡単に変えられるものではないので、購入する際には必ず納得行くまで試着してください。

1つではない!医療用ウィッグの種類

医療用ウィッグには、頭の一部分を覆う「部分ウィッグ」と頭部をすべて覆いつくすことができる「フルウィッグ」があります。
また、サイズだけではなく、ウィッグを作る素材によっても3つの種類があるのです。

1つは人の毛で作られた「人毛ウィッグ」です。
人毛ウィッグは、本物の髪の毛であるため、手触りなどがリアルなものとなっています。
また、髪の毛のツヤなどの見た目においても自然なので、第三者に違和感を覚えさせずにウィッグを装着することが可能になっているのです。

ただし、自然な毛である分、スタイルが乱れやすいという欠点もあります。
特に、洗髪などを行った際には形が崩れやすい傾向をもちます。
また、人毛ウィッグを作っている毛は、美容室などから買い取ったり、個人から寄付されたりしたものを使用しています。
このため、毛質によってセットをする際に手間がかかるものもあるという点も特徴です。

一般的に、医療用ウィッグでは「人毛ウィッグ」を使用されるケースが多くなっていますが、医療用ウィッグには、人工的に作られた「人工毛ウィッグ」という種類もあります。
人工毛ウィッグは、ポリエステルなどの化学繊維で作られています。
本物の毛ではないため、人毛ウィッグに比べるとリアルさには欠ける点はありますが、形状記憶となっているため、メンテナンスが楽なのが魅力です。
ただし、化学繊維で作られた人工毛は静電気による刺激に弱いというのが欠点です。
また、カラーリングを楽しむことができないというデメリットもあります。

さらにもう一種類の医療用ウィッグは、人毛と人工毛を合わせて作った「ミックス毛」です。
ミックス毛ウィッグは、人毛と人工毛のそれぞれのメリットを併せ持ち、自然な見た目がありながらも、比較的スタイリングしやすいという特徴があるウィッグです。

また、こちらの記事でも紹介しているように毛の種類以外にも部分用・白髪・男性用と様々な種類があり、一人ひとりの悩みに合わせた医療用ウィッグがあります。

人毛ウィッグのメンテナンス方法

個人差はあるものの、医療用ウィッグは約1年半から2年の長い期間で使用されることが一般的です。
長く良い状態で使用するためにも、日常的に正しい方法でメンテナンスをすることが重要となります。
使用前と使用後には、必ず髪の毛をとかして、水や専用のスプレーで静電気のケアも行っておきます。
ウィッグは毎日使用している場合であれば、1週間から10日ほどを目安にして洗うことが必要です。

事前にブラッシングで、もつれやホコリを取っておいた人毛ウィッグをお湯につけながらブラッシングして洗います。
お湯は40度くらいが適温で、少量のシャンプーを溶かしたものを使用します。
シャンプーは毛のキューティクルを傷めないために中性のアミノ酸系シャンプーを選びましょう。
ウィッグをお湯から出した状態で洗うと毛が傷んでしまうことがあるため注意が必要です。

さらに、リンスでのケアも終わったら、お湯を変えて十分にすすぎを行います。
毛にダメージができていた場合には、すすぎの前に、少量のトリートメントを溶かしたお湯に数分間つけておくと効果的です。
すすぎの後は、しっかりとタオルで水気を取り除き、ウィッグ台にのせてブラシなどで髪の毛を整えます。
そして、そのまま自然乾燥させて再度ブラッシングで毛を整えたら終了です。

人工毛ウィッグのメンテナンス方法

人工毛のメンテナンスや洗い方の基本は人毛のケースと同じです。
使用前後のブラッシングや静電気ケアをしっかりと行った上で、日常使いであれば1週間から10日ほどを目安にして洗うことが必要となります。
洗う際にも、人毛と同じようにお湯の中に入れて洗いますが、お湯の中でブラッシングすることは避け、優しく押すようにして洗いましょう。
人工毛をお湯の中でブラッシングすると毛が絡みやすくなってしまうため注意が必要です。

また、お湯に溶かすシャンプーはウィッグを作る人工毛に対応した専用のシャンプーを使用することが安心です。
専用のシャンプーがない場合には、ダメージヘア用のシャンプーを使うという方法もあります。
毛のダメージ対策をする場合には、トリートメントを溶かしたお湯につけ置きをしますが、この時使用するトリートメントもウィッグ専用の商品を使うようにしましょう。

リンスやすすぎの後、乾かす際には水分を拭き取ってから作業に入ります。
ウィッグの乾燥は、自然乾燥が安心です。ドライヤーの使用の可否は毛を作る素材によって異なります。
耐熱ファイバー素材である場合にはドライヤーで乾かすことも可能です。
また、ヘアアイロンでボリュームを抑えたり、スタイリングをセットしたりといったことも、耐熱ファイバー素材のウィッグであれば可能となっています。

毛を乾かした後にブラッシングを行う場合には金属製のブラシを使うことがおすすめの方法です。
化繊でできた毛に静電気を起こしにくくするためです。
オイルが配合されたスプレーをウィッグ全体に吹きかけるとツヤのある髪の毛に仕上げることができるようになります。

ミックス毛ウィッグのメンテナンス方法

ミックス毛による医療用ウィッグは人毛と人工毛の両方の毛を用いて作られています。
ただし、人毛と人工毛が占める割合は、医療用ウィッグを作っているメーカーによって異なっています。
このため、メンテナンス方法については、事前にメーカーや商品の説明書をしっかりと確認しておくことが重要です。

一般的には、ミックス毛の場合、人毛と人工毛のそれぞれのメンテナンスの方法や注意点を取り入れながら行うことになります。
日常的に行う使用前後のメンテナンスについては、人毛や人工毛と同じように、ブラッシングや静電気ケアをしっかりと行うようにしましょう。
人工毛が混合しているミックス毛は、洗う際には、ウィッグ専用のシャンプーやリンスの使用がおすすめです。
お湯の温度は、人毛よりも少し低めの36度程度のものを準備するようにします。
36度とは、だいたい人肌くらいの温度です。

また、配合されている人工毛が絡まないように、お湯の中でブラッシングは行わず、手で押し洗いをすることも大切なポイントとなります。
ミックス毛も基本的には自然乾燥が安心です。
ただし、乾燥の仕上がりによっては内部に菌が繁殖してしまう恐れもあります。
対策としては、風を通すためにドライヤーの冷風をあててあげるという方法があります。

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