医療用ウィッグに!人毛を寄付できるヘアドネーションとは?

投稿日:2017年7月5日 更新日:

医療用ウィッグ(かつら)は人毛や人工毛が使われています。

それぞれ、どんな特徴があるのでしょうか。

また、医療用ウィッグに使用されている人毛は、寄付によるものも多いです。

人毛を寄付できる「ヘアドネーション」についても解説していきます。

医療用ウィッグとファッションウィッグの違いは?

はじめに、医療用ウィッグとファッション用ウィッグの違いについて説明しましょう。

「医療用ウィッグで失敗知らずの賢い選び方」の記事でも紹介しましたが、医療用ウィッグと名前がついていても、はっきりと定義されているわけではありません。

一般的に医療用ウィッグと呼ばれているものは、脱毛症など髪が抜けてしまう疾患を抱えている人や、抗がん剤治療の過程で脱毛を余儀なくされてしまう人に向けて作られているものを指します

ウィッグはネットなどに植毛するのが一般的です。

医療用ウィッグは地肌に直接触れる場合もあるため、ネットの素材や作りに工夫がされているものが多くなっています

人工皮膚で自然に見えるものや、皮膚が弱い人に向けてオーガニック素材を使用しているものなど、メーカーによってさまざまです。

髪がまったく生えていない状態でつけるケースを想定し、近年は生え際が自然に見えるものも増えています。

一方、ファッション用のウィッグは髪型を気軽に変えたり、髪のボリュームを補ったりする目的で用いられるものがほとんどです。

頭全体にかぶるものと、部分用のウィッグがあります。

ファッション用のウィッグは医療用ウィッグに比べると地肌に触れる部分が少ないため、その分ネット部分の作りが粗いものも多くみられます。

ファション用のウィッグは、人工毛を使用しているものが大半です。

費用に関しては、医療用ウィッグが10万円を超えるものが多いのに対して、ファッション用ウィッグは数千円からと安価で購入できる点も、大きな違いでしょう。

関連記事:医療用ウィッグと普通のウィッグ、何が違うの?

また、医療用ウィッグは医療控除の対象にはふくまれていません。

治療の種類によっては申請すれば受理される場合もありますが、医師が必要不可欠と判断した場合のみなので、原則医療控除は原則利用できないと考えておいた方がいいでしょう。

ただし、自治体によっては助成金がおりることもあるので、調べてみてください。

そのほかに、医療用ウィッグに対して保障がおりる医療保険もあるので、加入しておくのもいいでしょう。

関連記事:医療費控除の仕組みと医療用ウィッグが控除対象にならない理由

関連記事:医療用ウィッグの購入に保険は適用されるの?

医療用ウィッグの種類とそれぞれのメリットは?

医療用ウィッグに使われている毛の種類は主に3種類です。

  • 人毛100%のもの
  • 人工毛のもの
  • そして人毛と人工毛をミックスしたもの

があります。
補足記事:価格と使用感から選ぶなら

価格帯の違いはありますが、それぞれにメリットとデメリットがあるのであらかじめ知っておきましょう。

人毛

人毛だけでできているウィッグは、カラーやパーマなどもできるのがメリットです。

カットやシャンプーも可能です。

しかし、シャンプーの後はしっかり乾かして形を整えておかなければなりません。

カラーも色が抜けやすい傾向があり、手入れに手間がかかる点がデメリットとして考えられます。

人工毛

人工毛の場合は、ポリエステルやナイロンといった合成繊維で作られているものが一般的です。

人工毛はヘアスタイルも豊富ですし、自分で髪型を整える手間がほとんどないのがメリットでしょう。

価格帯も比較的手頃です。

しかし、人工毛は人毛に比べて不自然な印象があるというデメリットがあります。

人工毛は人毛よりツヤが強い傾向があるため、作り物であると気づかれるおそれがあります。

医療用としての使用を目的としていないため、肌に触れるメッシュ部分も粗いものが多いです。

ミックス毛

人毛と人工毛のミックスタイプは、人毛と人工毛の中間といったところです。

どちらをどれくらいの割合にしているかで違いが出ますが、ミックス毛は人毛と人工毛の両方の特徴を兼ねそろえており、スタイリングを保ちやすいというメリットがあります

ヘアアイロンを使っても大丈夫なものも多く、扱いやすい医療用ウィッグといわれています。

髪を寄付できるヘアドネーション

医療用ウィッグには人毛が使われているものがありますが、その髪はどう調達されているのでしょうか。

医療用ウィッグを製造しているメーカーによっても異なりますが、人毛を寄付できる「ヘアドネーション」がそのひとつです。

ヘアドネーションで集められた髪のほとんどは、子ども向けの医療用ウィッグとして活用されています

子どもの場合は大人とは違い、成長に応じてウィッグのサイズも変わるというのが特徴です。

病気によっては治療が長引く場合や、長期的に脱毛が続く症状の病気では、成長に伴ってウィッグを作り変える必要性が出てきます。

大人用のものをつけることやサイズの合わないものをつけることは、見た目の印象や装着した時のフィット感など、身体的にもメンタル的にも好ましい状態とはいえません。

また、繊細な子どもにとって髪の毛がないということは大変なストレスにもなります。

学校でからかわれたり、場合によってはいじめにあう可能性もゼロではありません。

病気による脱毛に悩む子どもにこそ必要なのが、医療用ウィッグなのです。

「ヘアドネーション」で寄付された髪は、工場に集められて滅菌や洗浄処理がされます。

そのあとに、子どもに合ったサイズやスタイルの医療用ウィッグとして生まれ変わります。

こうしてヘアドネーションによって作られた医療用ウィッグは、主に寄付という形で無償提供されているのです。

「ヘアドネーション」で作られている医療用ウィッグは、病気で苦しむ子どもの支援活動や福祉活動をしている機関を通して届けられています。

あらかじめカットされていてすぐに装着できるものや、身につける本人に合わせてカットしてもらえるものもあります。

ヘアドネーションで髪を寄付する方法と注意点

髪を寄付するには「ヘアドネーション」の活動を行っている機関に直接寄付するという方法があります。

日本国内で寄付できる主な機関に「JHD&C」と「つな髪」があります。

寄付する方法や髪の長さなどの注意点があるので説明します。

「JHD&C」に寄付する方法と注意点

  • 必ずということではありませんが、髪は31センチメートル以上の長さが理想的です
  • カラーやパーマがかかったものでも可能ですがダメージがないものにしましょう
  • 寄付する髪は完全に乾いたものにしましょう
  • 毛束は1人当たり3~5本に分けてゴムでまとめます
  • ヘアドナーシートを記入して髪と一緒に郵送します

郵送先やヘアドナーシートは「JHD&C」のサイトにあります。

自分で直接送ることもできますが、賛同しているサロン(美容院)でカットをすればそのまま送ってもらうことができます。

サロン情報など詳細はサイトで確認しましょう。

JHD&C:https://www.jhdac.org/index.html

「つな髪」に寄付する方法と注意点

  • 髪の長さは15センチメートル以上、または31センチメートル以上あれば可能です
  • 性別は関係ありません
  • ダメージがないものならパーマやカラーされたものでも大丈夫です
  • 髪がバラバラにならないよう、1人当たり3~5本に分けてゴムでまとめます
  • 3~5本になった毛束をさらにゴムで1つにまとめましょう
  • 複数人で送る場合は髪が他の人と混ざらないようにしましょう
  • 宅配または郵送で指定先に送ります

こちらも送り先はサイトで確認できます。

寄付に応じているサロンの一覧もサイトに記載されているので、近くにあれば利用するとそのまま送ってもらえます。

つな髪:http://www.organic-cotton-wig-assoc.jp

治療の前に髪を寄付する人も

抗がん剤治療など、髪が抜けることが予想できている場合、あらかじめ髪をカットしておく人も多いのではないでしょうか。

特にロングヘアの場合は、治療に入る前に医師の指導などを受けてショートにしておく人もみられます。

その際に、ヘアドネーションで自分の髪を寄付することも可能です。

ヘアドネーションを行った場合、寄付した髪を自分の医療用ウィッグにすることはできません。

しかし、自分と同じように病気や治療による脱毛でつらい思いをする人に貢献できるという喜びはあります。

誰かの心を軽くする医療用ウィッグに使ってもらうためにも、治療をはじめる前に自分の髪を寄付するということについて考えてみましょう。

医療用ウィッグを使用する人の多くは女性です。

髪は見た目の印象を左右しやすいものだけに、治療や病気で抜けてしまうのは精神面にダメージが大きいものがあります。

病気であってもおしゃれや身だしなみを楽しみたいと考えるのは、いたって健全な感情です。

近年は、医療用ウィッグでもさまざまな髪型を楽しめるものが多くなっています。

挙式やパーティーなどに合わせて髪型を自由にアレンジできたり、ウィッグを装着したままシャンプーがてきたりと、自分の髪と変わらずにあつかえるものがたくさん出てきています。

髪を寄付するという行動は、それを必要としている人に医療用ウィッグを届け、一人ひとりの笑顔につなげていくことができるのです。

種類や入手方法は?治療や病気の脱毛症で使える医療用ウィッグ

関連記事

医療用ウィッグを買うなら!おすすめ人気のメーカー5選

抗がん剤による影響で髪が抜けてしまった方や、薄毛の症状を抱える方などの悩みを和らげるために、医療用ウィッグ(かつら)が1つの助けとなる可能性があります。 医療用ウィッグとは、病気やケガなどで髪を失って …

医療用ウィッグのズレない付け方が知りたい!

初めて医療用ウィッグ(かつら)を作った人にとって、どのように医療用ウィッグを装着すればよいのか始めは戸惑ってしまうこともあるかもしれません。 被り方のコツが分からないまま装着すると、ズレてしまったり不 …

医療用ウィッグがバレないか心配!バレる原因と対策を徹底追及

医療ウィッグ(かつら)は髪の毛で悩む多くの患者の方々を助けるためのもので、普通のファッションウィッグに比べて通気性が良かったり柔らかい素材でできていたりと、さまざまな工夫が施されています。 しかし、医 …

医療用ウィッグの購入に保険は適用されるの?

抗がん剤などの使用による脱毛をカバーしてくれる「医療用ウィッグ(かつら)」。 なければ命に関わる…というものではありませんが、脱毛した自分を鏡で見るのがつらかったり、見られ方が気になって人と会いづらい …

医療用ウィッグでも楽しめる!簡単にできるヘアアレンジ5選

抗がん剤治療や脱毛症といったことが原因で髪の毛が抜けてしまったり、生えてこなかったりすることに悩む人もいることでしょう。 そのような人にとって救いの手となるのが医療用ウィッグ(かつら)です。 医療ウィ …

毛の種類によって異なる!医療用ウィッグのメンテナンス方法

治療中に気になる頭部に医療用ウィッグ(かつら)を使用したいと考えている患者さんや、ご家族に利用させてあげたいと思っている人もいるかもしれません。 しかし、実際の利用を考えた際に、治療の合間に行わなけれ …