フルタイプ以外にも!部分用・白髪・男性用もある医療用ウィッグ

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がんへの薬物療法として行われる抗がん剤治療が始まると、身体的な苦痛だけではなく抗がん剤によって髪が脱毛するという精神的な負担をおってしまうこともあります。
脱毛への対策には帽子をかぶったり、スカーフを巻いたりといったものもありますが、より自然な姿で頭部に対する精神的な苦痛を軽減できるのが医療用ウィッグ(かつら)です。
医療用ウィッグにはフルウィッグだけではなく、部分用・白髪・男性用といったさまざまな種類があります。
そこで、自分に合った医療用ウィッグを上手に選択するために、種類ごとの特徴をご紹介します。

普通のウィッグとは違う?まずは知っておきたい医療用ウィッグの基礎知識

普通のウィッグは、主にヘアスタイル(髪型)を変えたり、いつもとは違ったカラーが付いた髪にしてみたりといった一時的なオシャレを楽しむために使用されることが一般的です。

しかし、医療用ウィッグは、病気の治療やケガにより抜けてしまった頭皮や患部を隠して、患者の精神的な苦痛やストレスを和らげることを目的としたウィッグとなっています。
他にも、加齢やホルモンバランスの乱れなどによって薄毛となってしまったり、脱毛してしまったりした場合に用いられることもあるのです。
ファッションの1つとして用いられる普通のウィッグでは、主に健康な頭皮を持った人が使用し、多くの場合、髪が生えている頭部の上からウィッグを装着します。

しかし、医療用ウィッグでは、髪が完全に抜け落ちている人が使用するケースも多く、肌に直接装着する場合も少なくありません。
また、病気などを原因とした脱毛であるため、頭皮がデリケートな状態となっていることも多いのです。
このため、装着時にできるだけ頭皮に負担がかからないように地肌に優しい素材で作られていることが通常です。

さらに、長時間の装着であっても締め付け感を感じないように考慮された工夫がなされていたり、蒸れにくい通気性のよい造りとなっていたりします。
また、フルウィッグと部分ウィッグといったサイズの異なるものや、日常生活の中で違和感を覚えずに自然な姿で装着できるように白髪や男性用などのバリエーションも用意されているのです。

医療用ウィッグは病気の治療を精神面でサポートする、患者にとって大切なものです。
しかし、以前は医療用ウィッグについてのはっきりとした定義はありませんでした。
このため、医療用ウィッグを取り扱っている企業によって商品のあり方が異なっていたのです。
そこで、経済産業省が2015年に医療用ウィッグに関するJISを制定しました、医療用ウィッグやウィッグの付属品に関する外観や性能、試験方法などを明確に定めたのです。
定義が確立されたことにより、利用者は「JIS規格適合品」である医療用ウィッグについて、より安心して使うことができるようになりました。

関連記事:医療用ウィッグと普通のウィッグ、何が違うの?

頭部全体をカバーしてくれる、フルウィッグ

ウィッグには頭部をすべて覆うタイプのものと、部分的に覆うタイプのものがあり、全体をカバーするタイプのものを「フルウィッグ」と呼びます。
フルウィッグは「全頭かつら」や「フルキャップ」「全ウィッグ」などとも呼ばれ、一般的にすべての頭髪が抜けてしまっている人に使用されるタイプです。
抗がん剤の治療による副作用で頭髪が抜け落ちてしまったり、円形脱毛症や無毛症などによって頭部全体の毛がなかったりする場合の使用に適しています。

現在は部分的な脱毛状態であっても、抗がん剤治療の副作用や円形脱毛症により、今後脱毛が進行する可能性がある場合にも適したタイプです。
さらに、自毛は生え残っているものの、毛が細かったり、柔らかい毛質を持った猫毛であったりすることで頭髪に悩みを持っている人にも使用されることがあります。

また、フルウィッグは、頭全体にそのまますっぽりと被せるものです。
このため、自毛の髪色や毛の生え具合といった現在の頭髪状態を考慮することなく使用することが可能となっています。

頭部を部分的に覆う部分用ウィッグ

頭髪のすべてが一度抜け落ちてしまっても、治療の経過によって再び髪が生えてきたり、伸びてきたりすることもあります。
また、もともと頭髪の一部だけしか抜け落ちていないというケースもあるでしょう。

このような場合には、フルウィッグ以外にも、部分的に装着できる種類の医療用ウィッグを使用することが可能です。
部分的に頭部をカバーするタイプのウィッグは「部分ウィッグ」といい、他にも「部分かつら」、「トップピース」、「ツーペ」と呼ばれることもあります。
前髪だけのものや襟足、つむじ部分だけをカバーできるタイプなどさまざまです。

一般的に部分ウィッグは一部の毛が抜けている人に適した種類で、特に、手術や火傷などによる部分的な脱毛時に利用されます。
円形脱毛症の人に使用されることもありますが、円形脱毛症は進行状況が人によって異なる病気です。

このため、今後、症状が進行していくことで脱毛範囲が広がってしまう可能性がある場合にはフルウィッグを使用した方が適しているケースもあります。
部分用ウィッグを使用する際に注意しなければいけない点は、自毛とのバランスです。
頭部全体を覆いつくすフルウィッグとは異なり、もともと生えている髪の毛と違和感がないように装着することが自然な仕上がりにさせるポイントとなります。

このため、自分の毛となじむような色や毛質をしっかりと選んで使用することが大切です。
また、カバーしたい部分に合わせたサイズ選びも重要となります。

年齢に応じて選べる!白髪の医療用ウィッグ

医療用ウィッグを使用する人の年齢はさまざまです。
利用者からは年齢に応じたウィッグが求められています。

自然な見た目で装着するために、医療用ウィッグには白髪が生えていることが想定できる年齢の人向けに白髪タイプのものもあるのです。
白髪の生える量は人によって異なっています。

 

このため、100%が白髪でできているウィッグもあれば、40%の白髪と60%の黒髪を組み合わせたものや、80%の白髪と20%の黒髪を混合させたものなど部分的に白髪が混じっているタイプのものも選べます。
医療用ウィッグには人の毛で作ったもの、化学繊維で作られた人工毛によるもの、人毛と人工毛の両方を用いて作ったミックス毛のものと3つの種類があります。

ウィッグに使用される白髪は多くの場合、人工毛です。
人工毛により作られたウィッグの場合には、使用する期間によって色が後退してしまう可能性も生じます。
このような場合には、数カ月に1回程度のタイミングで毛染めをしなければいけないこともあります。

何が違う?男性用ウィッグの女性ウィッグとの違い

頭髪が薄いことに悩むのは女性ばかりではありません。
医療用ウィッグには女性用のほか、男性向けに作られた専用のウィッグもあります。

頭や頭髪のサイズや形は女性・男性に関わらず、人それぞれ個人差があるものです。
そのため、女性用ウィッグと男性用ウィッグの区別に明確な規定はないといえます。

一般的には女性の方が頭のサイズが小さく男性の方が大きかったり、女性の方が毛の長さが長い人が多く男性の方が短い人が多かったりといった傾向があるとされています。
しかし、実際には頭のサイズが小さくロングヘアの男性もいます。

また、頭のサイズが大き目でベリーショートヘアーを楽しんでいる女性もいるのですこのため、一般的には女性に求められやすいタイプのウィッグを女性向けウィッグ、男性に好まれる傾向があるタイプのウィッグを男性向けウィッグとして区別しています。
女性と男性、それぞれに多くみられる悩みや髪型(ヘアスタイル)の好みといったものを基準として分けているのです
。男性用ウィッグでは、男性に人気のあるヘアスタイルのウィッグのほか、頭皮に汗をかきやすいという、男性に多くみられる悩みに対応した通気性に優れた商品などもあります。

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